強すぎるムドーが魔王として君臨した日、平和な世界に変化が訪れた。

「なあ、3大魔王の話を知ってるか?」

「ジャミラス・グラコス・デュランのことだろ?」

「そうそう。」

「メダル王の城にカルベローナ、それにクラウド城が封印されたなんてびっくりだよな。」

「でもよぉ。
 あいつら能無しって噂だぜ?」

「確かに。
 魔王のくせにやってることが小さいもんな。」

「やっぱり人間様の方が賢いみたいだな。」

「違いねぇ。」

 

 

これはドラクエ6夢の世界。

世界がまだ平和だった頃、突如悪の大魔王デスタムーアが姿を現した。

デスタムーアはメダル王の城、カルベローナ・クラウド城を封印し、部下である幹部3人にそれぞれ託す。

そして自身は狭間の世界へと身を潜め、世界征服へ向けて準備を進めたのだ。

今日はそんな魔王と人間たちの心情を描いたお話。

※原作を多少無視した想像物です。

 

 

時は過ぎて数十年。

デスタムーアは未だ世界征服出来ずにいた。

その原因は部下。

バカ3人の働きが予想以上に悪かったからに他ならない。

封印するはずの城に住むバカ。

海底でお昼寝ばかりするバカ。

宗教まがいのことをして村一つ占拠するのに時間のかかるバカ。

とにかく皆バカ。

どうしようもない連中なのである。

 

デスタムーアは考えた。

これでは魔物としての示しがつかない。

このままで良いのか?

そうだ、新らしく優秀な部下を雇おう。

強いのはもちろんだが、忠実で賢いやつが良い。

そしてムドーを招き入れ、早速任務を命じたのである。

 

ムドーの策略

「ムドーよ、分かっておるな?
 お主だけが頼りである。」

「はっ。
 デスタムーア様のご期待に添えるよう、全力を尽くします。」

「くれぐれも人間共に舐められるでないぞ?」

「承知しております。」

「してムドーよ。
 お主、なにか今後の計画はあるのか?」

「手始めにダーマを侵略しようかと。」

「あのダーマか?
 さすがだな。
 我らの敵となる勇者を誕生させないための策略であるな?」

「それだけではございません。
 ダーマは言わばハローワーク。
 ここを侵略できれば市場経済が混乱し、人間界の経済的破滅へと追い込めることでしょう。」

「なるほど。
 お主、強いだけでなく相当に頭が切れるようだな。」

「それほどでもありません。」

 

ムドーはデスタムーアに背を向け、早速ダーマ神殿へと歩みを進める。

 

ダーマ神殿陥落

「大変だ~!
 新たな魔王が誕生したぞ!」

「これで4人目か。
 でも心配なんていらねぇよ。
 どうせまたバカだろ?」

「いやいや。
 今度のはヤバいらしい。」

「そうなのか?」

「なんでもダーマ神殿がたった一晩で落とされたそうだぞ。」

「嘘だろ?
 あの神殿が落とされるわけ・・・」

「本当だよ!
 しかも大地に大穴が空いたって噂だぜ?」

「つ、強すぎる。」

「次はこの町を攻めるんじゃねぇかな?
 心配で夜も眠れねぇよ。」

「なんてこった。
 俺たち人間はどうなっちまうだよ?」

 

 

ムドーはダーマ神殿到着後、驚くべき速さで人間共を捉え、殺し、戦圧した。

まさに圧巻。

さすがとしか言いようの無い働きぶりである。

そしてわざと殺さずに生かしておいた人間1人に対してこう伝える。

「我はムドー。
 2つの世界を束ねし新たな魔王である。」

この日、平和だった世界に魔王ムドーが誕生した。

 

 

ムドーの噂は瞬く間に世界中に広まった。

もはやムドーを知らぬ者はこの世界にいないほど。

絶対的影響力を持つ優れた魔王であり、魔物のカリスマ的存在。

それがムドーである。

 

これはやばい。

今までの魔王とは何かが違う。

俺たちは大丈夫なのか?

無事に明日を迎えられるのか?

人間達はただただ恐怖した。

 

志願兵

「あれ、今日はやけに人が多いな。」

「しかも見たことない奴ばかりだ。
 どっから来たんだ?」

「お前たち、そんなことも知らないのか?
 レイドック王が全国各地から兵隊を集めているそうだぞ。」

「そいつは凄え!
 この数ならムドーの野郎にも勝てるかもしれないな。」

 

 

ムドーに恐怖したレイドック王は、世界中から腕に自信のある戦士達をかき集めた。

その数なんと数千から数万人。

見事なまでの大軍団である。

そしてムドー討伐のため、大群率いて地底魔城へと足を運ぶ。

 

 

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地底魔城

地底魔城に到着すると、そこには大量の魔物が待ち構えている。

どいつもこいつも強力で、中にはベギラマまで使ってくる魔物も。

とにかく強い。

そして強敵に破れ、志半ばで死んでいく者も多数いた。

それでも戦士たちは剣を振る。

怒り。

悲しみ。

絶望感。

淡い期待。

各々が様々な感情を抱きつつ、ムドー目指して前へ前へと進んでいく。

 

 

洞窟に入ってからどれほど時間が経ったのだろうか?

兵士達も数が減り、アイテムもほとんど使い切ってしまった。

それでも、ようやくムドーの元へ辿り着いた兵士達。

しかし、皆の体はボロボロで、まともに戦える兵士なんていやしない。

無理もない。

強敵達との戦いを続けてきたのだから。

 

「もう後には引けない。
 刺し違えてでもあいつを倒す。」

そう決意して背水の陣で挑む。

 

断念

「大変だ!
 レイドックの兵士達がムドー討伐に失敗したらしい。」

「あんなに人数いたのにか?
 それで皆無事なのか?」

「ほぼ壊滅で死人も大量に出たらしい。
 ほら、あそこで泣いてる奥さん、まだ結婚して2ヶ月だってよ。」

「可哀想に。」

 

「で、次のムドー討伐はいつだ?」

「もう諦めたみたいだぞ。」

「は?
 どうしてだ?」

「志願兵がいなくなったらしい。
 皆、強すぎるムドーにビビっちまったんだろ。」

「そうか。
 ついに人間も滅ぶときがきたのか。
 俺の人生あっけなかったな。」

「あ~あ。
 どうせなら死ぬ前に遊び人にでも転職したかったぜ。」

 

ムドーに何度負けようが、レイドックの戦士たちは戦い続けた。

しかし、ムドーは強すぎたのだ。

そしてついに志願兵はいなくなり、戦うための資金・物資も底をついた。

いよいよ人間も終わり。

人々は皆諦め、絶望に打ちひしがれていく。

 

希望の光

ムドーが魔王に君臨してから数ヶ月後。

町には兵士がいなくなり、武器屋も減り、ムドーへ歯向かう者はいなくなった。

皆既に諦めた様子である。

後は死を待つだけ。

しかし、そこへ旅人らしき3人組の男女が現れたのである。

 

 

「なんだお前たち、見ない顔だな。」

「ムドーを討伐するために旅をしているんだ。」

「正気か?
 たった3人であのムドーに挑むってか?
 冗談だろ?」

「もちろん本気だぜ。」

「やめとけやめとけ。
 未だ若いんだから自分の命を粗末にするな。」

「それでも私たちは行くわ。
 これ以上ムドーに好き放題させる訳には行かないもの。」

「分かったよ。
 でも後悔しても知らないからな。」

 

 

この若者達、なんとムドー討伐に行くと言い出したのだ。

しかも3人で。

これを聞いた村人達は必死に説得するものの、3人の若者たちは聞きやしない。

決意は固く、もう何を言っても無駄である。

心配する村人たちをよそに、3人は意気揚々と村を出発したのであった。

 

 

そしてその後のお話は皆知ってのとおり。

ここから若者達の苦しく長い旅が始まったのである。

続きはまた次回にでも話そう。

あわせて読みたい!

 

ムドー討伐まで一覧

 

他のドラクエキャラ紹介を見たい方はこちらから。

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プロフィール

名前:勇者ウォン
特技:ギガスラッシュ
好きなもの:平和な世界
嫌いなもの:魔王

 

すぐ調子に乗るのが特徴で、このブログの管理人。

今は2つの世界(ドラクエ6・サマナーズウォー)を旅して回っている。

そのうち世界を救うらしい。
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