さよならアリーナ 告白もできずに失恋したクリフトの後悔と新たな決意

再会

「随分久しぶりねクリフト!元気してた~?」

そう声を掛けてきたのは、この城の姫ことアリーナである。

かつて私と一緒に旅をしていた仲間で、私が好きだった人だ。


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「お久しぶりです、姫。」

私は蛋白にそう答えると、この場を離れようとする。

 

「ちょっと~、久しぶりに合ったのに、どうしてそんなに冷たいのよ?」

「あ、そういえばアタシ、結婚することになったの!」

そんなことは既に知っている。

この城の姫が結婚するとなれば、嫌でも情報が入ってくるだ。

 

「もちろん結婚式に来てくれるわよね?アタシの晴れ舞台よ!」

正直に話すと行きたくはない。

自分では諦めたつもりではいるが、おそらく姫のことは未だ好きである。

好きな人と違う男が結婚する場所に誰が行きたいと思うのであろうか。

そんな男がいるのならば是非とも合ってみたいものだ。

 

「ちょっと、どうしちゃったのよ~」

クリフトはアリーナに断りの返事をすると、その場を離れ、昼間にもかかわらず居酒屋へと向かって行った。

 

 

「マスター、何か度数の高いお酒を。」

クリフトは店員にそう注文をすると、カウンターに腰掛ける。

 

クリフトは辛かった。

姫の顔を見れば、一度諦めたはずの気持ちが揺らいでしまう。

あの楽しかった、もう二度とすることができない大冒険を思い出してしまう。

そしてそんな気持ちを悟られて、姫にも迷惑を掛けてしまうかもしれない。

 

「はあ。」

クリフトは大きなため息をつくと、運ばれてきた酒を一気に飲み干し、昔を思い出しながら悲しみにふける。

 

回想 アリーナの魅力とクリフトの後悔

「ねえ、二人とも早く行くわよ。」

そう言ってアリーナは、いつも先陣をきって進んでいく。

魔物がいようが薄暗い洞窟であろうがお構いなし。

一切躊躇うことをしない。

そして残された二人は顔を見合わせ、やれやれというように後を追う。

しかし、その二人の顔から嫌そうな表情はない。

よほどこの姫のことを気に入っているのであろう。

 

 

クリフトは旅が好きだった。

人助けをしたこと。

森や洞窟を冒険したこと。

アリーナの我儘に付き合わされたことやブライの毒舌だって好きである。

そのどれもが新鮮で、この思い出は一生の宝物である。

 

 

しかしその反面、クリフトは楽しい旅を続けながらも苦しんでいた。

旅を続けるたび、どんどん距離が離れていく気がしてならなかったからだ。

アリーナはどこの村に行っても人気者となり、常に人の輪に囲まれる存在になっていく。

武術大会で優勝し、隣の国でも有名な存在になっていく。

後に出会う勇者様や他の仲間にも気に入られ、一目置かれる存在になっていく。

私とは正反対である。

 

そして魔物と戦闘するたび、アリーナは消耗し、傷ついていった。

私やブライ様がお荷物で、守られていることも分かっていた。

しかしそんなアリーナに追いつくこともできず、何一つ役に立つことすらできない。

好きな女の子一人を守ることもできない自分が嫌いだった。

どんなに努力しても、まったく強くなれない自分が嫌いだった。

自分はなんて無力なのだろう。

 

 

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「お姫様だからって、なんで王室で座ってないと行けないのよ?」

「嫌なら脱走すればいいじゃない?」

「次はどこに行こうかしら?」

アリーナはおてんばで我儘だ。

しかし、クリフトはそんなアリーナを羨ましく思っていた。

姫という立場にも係わらず、しっかりと自分の芯を持っており、決して曲げない。

姫だからとか、女の子だからとかは一切関係なし。

自分のしたいことをしたいときにやる。

それがアリーナの一番の魅力だということを、クリフトはよく知っていた。

 

私はどうであろうか。

身分違いの部下だから。

神官は恋愛禁止だから。

そんな言い訳ばかりをして、自分の気持ちを打ち明けることができなかった。

きっとアリーナは、そんな身分とか職業とか、ましてやお金を持っているかなんてことは気にしない。

あくまで一人の男として、真剣に考えてくれたはずである。

きっとアリーナの父親である王様もそうだったであろう。

 

そう分かっていても、一歩踏み出せなかった自分がいた。

アリーナのような強い心が少しでもあれば。

アリーナのような勇気が少しでも持てていれば。

何度そう思ったことであろうか。

もう何度も後悔した。

 

 

新たな決意と旅立ち

クリフトは旅に出ることにした。

それは結婚したアリーナを見たくないからとか、そんな小さな理由ではない。

常に成長して前に進んでいるアリーナに、自分も追いつき成長したい。

結婚したアリーナを、心の底から笑って祝福できるくらい大きな人間になって帰ってきたい。

こう考えていた。

そうと決まれば行動は早いほうが良い。

クリフトは酒代をマスターに支払うと、家に向かって歩き出す。

 

 

荷造りをしていると、クリフトはある違和感に気づく。

荷物がやたらと多いのだ。

食料や水に、地図とコンパスも。

それに薬草と武器も必要だ。

前は分担していた荷物は、今は一人で持たなければいけない。

アリーナが決めていた行き先もないから、計画を練る必要だってある。

ブライ様の担当であった金銭管理や料理だって、次は自分でやらなければいけない。

 

 

いつも明るく笑ってくれるアリーナはいない。

ぶつぶつと文句を言いながら、実は一番やさしかったブライ様もいない。

いるのは私一人だけ。

あのときは喧嘩したり嫌いになったこともあったが、今になってようやく仲間の大切さに気づいてしまった。

 

しかし、今更そんなことを考えても意味がない。

これからは前を向いて成長していこう。

アリーナのような立派な人間になるために。

 

 

クリフトはこれでもかと言わんばかりに大きなカバンに大量の荷物を押し込み、夜のサントハイムをひっそりと後にした。

ここからクリフトの新たな冒険が始まる。

 

 

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